Web拍手お礼夢小説   05:櫛   (片倉小十郎)



「ん…しょっと……」
手元でくるん、と髪が跳ねる。寝る前に髪に櫛を入れるのは日課だ。
無心で作業に没頭していると、近づいてくる足音が聞こえてきた。
「片倉だ。入るぞ」
どうぞ、と返事を返すと遠慮なく入ってきた。
「髪を梳いていたのか」
「ええ、まあ。くせっ毛なんでいつも時間がかかるんです」
「そうか……後ろ、まだ跳ねてるぞ」
「え、どこですか?」
「……貸せ。やってやる」
剣ダコだらけの手が髪を梳き始める。思いのほか丁寧で、心地いい。
「しかし女ってのは大変だな。髪の手入れ一つとっても……」
「そうでもないですよ。むしろ小十郎さんの方が心配です」
「どういうことだ?」
「最近筆頭のやんちゃっぷりにことさら磨きがかかってきたじゃないですか。
そのうち禿げるんじゃないかってもっぱらの噂ですよ」




(オールバックって禿げそうじゃないですか)