Web拍手お礼夢小説 03:扇子 (長曾我部元親)
「元親さん!」
船頭に立つ元親が振り返る。相変らずの露出っぷりだが、気にしてはいけない。
「今ヘンなこと考えなかったか?」
「気にしたら負けです」
「……で、どうした?」
一瞬の間の後、スルーされた。
けれど突っ込まれるとかえって面倒なのでそのまま話に乗る。
「こんなものが落ちてきました」
「これは……扇子じゃねーか。何でこんなモンが?」
「風に乗って落ちてきたんです」
「そりゃまた珍しいな」
「……まったく。誰だか知りませんけど、ここらの海で扇子なんて開いたら飛んでくって決まってるのに」
「案外遠くから飛んできたのかもな。……が、それにしても……」
「ホント、何考えてるんでしょうね」
開いた扇子に目を落とし、呆れたようにため息をつく。
「――この柄、趣味悪すぎですよ」
(アニキのセンスも大概だと思いますよ)