Web拍手お礼夢小説   02:花   (風魔小太郎)



「……へっくし!」
布団に包まって、ずず、と鼻水を啜る。
「まさかこの歳で川に落ちるなんて……はぁ、」
暗がりだった。急いでいた。
そんなのは所詮言い訳でしかない。
まさか、集中力が少し切れるだけでああも簡単に落ちるとは思わなかった。
「ったく……年寄りの癖に人使いが荒い……いや、年寄りだから、か?」
解決にならないとわかっていても、愚痴が零れてしまう。
「ホント、風魔が羨ましいというか……」
ぶるりと身を震わせ、布団の中でまた眠りに落ちていく。

「――……ん?」
うとうとしていると、ふと、人の気配を感じた。瞼が自然に持ち上がる。
体を起こすと、一筋の風が頬を撫でた。
直後、目の前にひらひら何かが落ちてくる。
「漆黒の羽……――風魔?」
誘われるように窓際を見ると、一輪挿しに白い百合が揺れていた。
「……へえ、意外と見てるんだ」





(風魔さん、それ不法侵入って言います)